がちゃん

リカ ~自称28歳の純愛モンスター~のがちゃんのレビュー・感想・評価

1.4
酷い作品です。
脚本が特に酷い。
私は、原作小説ファンなので、怒りがこみあげてきます。

まず、主人公、雨宮リカ。
高岡早紀が演じているのですが、綺麗すぎるんですよね。

原作のリカは、声はとてもかわいいのだけれど、容姿はとても28歳とはおもえないほど老いており、極めつけは体臭がめちゃくちゃ臭いということ。
今流行りの特殊メイクやらを使って、もっと醜悪なリカにしないと、とても違和感を感じてしまう。

リカをおびき出すためにマッチングアプリに登録する刑事、奥山は市原隼人が演じているのですが、この人くらいかな、まあ、納得できるのは。

奥山の恋人青木孝子を演じる、内山理央と佐々木希がさらに酷い。
孝子は奥山の仇を打つのを心に誓うのですが、あんなに大きな声で誓ったらダメだよ。誰に話しかけてるの?って思うくらい違和感がありまくりでした。

警察本部の指示もめちゃくちゃだが、さらにそれを無視して単独行動をとってしまう主人公たちってなんなの。
規律違反に観客が納得するような描写なりきっかけがあればいいんですけど、それがない。
ただの思い付きの行動にしか見えなくて、発砲までしてしまうトンデモ展開。

策を講じて、リカを廃屋まで呼び出すことに成功した孝子ら捜査陣。
いざ、リカを追い詰めた時に、周りの警官が一斉にいなくなってしまったのは何故?

リカは超人的身体能力を発揮して、スパイダーマン並みの動きを見せます。まあ、リカは(原作では)銃弾を何発も喰らっても生き返るほどのモンスターだから、まあ・・ねえ・・・。
このあたりの描写は『トムとジェリー』だね。

孝子はリカの反撃にあい、大層痛い目に合うのですが、全然痛そうに見えないんですよ。助けに来た同僚の尚美(佐々木希)と延々とあーだこーだとしゃべっている。
おいおい、早く救急車呼んでやれよ!

とにかく、この作品は台詞に頼りすぎ。
そのセリフも陳腐で興ざめしてしまうものばかり。
リカが奥山を永遠の相手だと確信するシーンで語られる愛に関するうんちく。わざとらしい照明と音楽も相まって、鳥肌が立つくらい気持ち悪い。
原作にある、徐々に迫ってくる狂気に恐怖する感じが全くない。
最初にも言いましたが、脚本が悪すぎる。
(三浦希紗)

グロ描写を売りにしているのかと思えば、それも大したことない。
園子温監督の『冷たい熱帯魚』(2010)に似たシーンがあるのですが、まるで比較にならない。
怖くない。

続編をにおわせるエンディングだが、さて、このスタッフでいくのだろうか。あまりにも酷い出来栄えが逆にカルト的人気を呼ぶかもしれませんね。

ただし、原作とは完全に別物として。

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