このレビューはネタバレを含みます
「『先生、私の隣に座っていただけませんか?』ってそういうことでしたか、私勘違いしてたわ。」とホッとしてたら、そういうことじゃなかった...! でももしかしたら、「先生」は俊夫であって、マンガに描いたものはフィクションで、そうなりえた可能性もあったかもしてないけど、時はすでに遅かった。
俊夫は佐和子に冷めて千佳に走ったわけではないと思うし、ちょっと浮ついた気持ちだっただけでしょう、きっと。用意周到な佐和子の復讐(?)に、そんなつもりじゃなかっただろうから、訳わかんなくなっちゃって、まんまと翻弄されてしまった。佐和子は淡い恋に癒されつつ、作品にも昇華して、俊夫にダメージを与える。どんだけしたたかなんだ。
何を考えてるのかつかめない佐和子に黒木華、翻弄される俊夫にえもたす、あっけらかんと怖いもの知らずに奈緒、浮遊感溢れる先生に金子大地、さすが佐和子の母に風吹ジュン、配役がとてもよかった!
現実とマンガの世界を行ったり来たり、観る側にも最後までフィクションなのかノンフィクションなのか翻弄し続ける脚本、秀逸。