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エンドロールのつづきのchiのレビュー・感想・評価

エンドロールのつづき(2021年製作の映画)
3.8
この少年は映画が好きというより映画がどのようにして映るのか、映写機に興味があるのではないか?と思って見ていましたが、映画愛に溢れたエンドロールを見て、この少年、そして成長して本当に映画を作った監督の紛れもない映画愛を感じました。

インド映画ですが、昨年見た作品たちのような派手さはありません。踊りもなく、音楽も控えめです。ストーリーも過剰なものはなく、映画に恋に落ちた少年を比較的静かに描いています。どのようにして終わりをつけるのか?と思いながら見ていましたが、サマイが映画館に急遽呼び出された終盤以降は思いもよらない展開で驚きました。大好きな大切なものが壊されていく残酷さを少年に見せながらも、形を変えた姿を見た少年がそれを乗り越えていく強さも見せます。
かわいい子には旅をさせよ。お母さんが毎日作っていたお弁当、やっぱり最後にも持たせるところがすごく良かった。飯テロ映画でもありますね。

監督の実体験を基にしているそうなので事実だと思いますが、小学生くらいの子どもが映写機の仕組みを理解して自分たちで自作で映画上映するなんてインドの子ども天才かと思いました。

余談
ピカデリーのロビーにこの映画の企画で映画監督の「自分が映画を好きになったきっかけの作品」が紹介されていて、その中で私が映画好きになったきっかけの映画を撮った監督2人が作品を紹介していました。私が映画を好きになったきっかけはあなたたちの映画ですよと言いたくなりました。
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