ジュライ

エンドロールのつづきのジュライのレビュー・感想・評価

エンドロールのつづき(2021年製作の映画)
4.0
はからずも『モリコーネ』の次に劇場で観た作品になりました。
『ニューシネマパラダイス』が映画を通して心を受け取った側の話だとすると、こちらは映画に心を込めようとした側の話。私自身も作品を作りたい立場の人間なので、どちらかといえばニューシネマのトトより本作のサマイに共感移入したかも。

ジュブナイルものであり、ビルディングスロマンであり、家族愛もの。恋愛要素ゼロなのが個人的に高評価。
さらに子どもたちの創意工夫力と、美味しそうな料理の数々がかなりポイント高いです。
育ち盛りの子どもの食事を横取りするなよと思ったけど、あれは確かに自分も食べたくなる。茄子にペーストみたいなの挟んでトマトと炒めてたやつとか。
そして劇中に登場する映画がどれもこれもB級くさくて惹かれました。しょーもなさそうで好き。

両親は美女と野獣でしたね。
最後にサブリミナルみたいに一瞬映った綺麗そうな女性は本物のお母さんかな?
監督の映画愛と母親への愛がみっちり詰まった作品。
父親はわりと難のある人間に描かれてるけど、某シーンの帰り道で棒を投げ捨てたところはちょっとグッときました。

昔あった、おもちゃの眼鏡(セロハンの赤と緑がはまってるやつ)が久しぶりに欲しくなりました。あれで街並みを見たい。
ジュライ

ジュライ