モロコ

エンドロールのつづきのモロコのレビュー・感想・評価

エンドロールのつづき(2021年製作の映画)
3.0
パン・ナリン監督の映画への愛情が伝わる温かい映画だった。

監督の実話をベースに作られており、まるで、映画「ニュー・シネマ・パラダイス」のようだった。
ただ、主人公のサマイは、映画だけに魅了されているだけでなく、映写方法にも興味を持っていたのか、ゴミから素材を見つけ出し、協力的な友達と一緒に映写機を作ってしまうシーンが圧巻だ。監督としても忘れられない大切な経験だったのかなぁと思う。

時代は変わり、フィルムからデジタルに変わる切なさの描写も監督の生きた時代ならではでとても切ない。
ただ、物凄く映画への愛情を感じる圧巻のシーンだった。映画好きならグッとくると思うよ。

なんだろう。この映画はよく「ニュー・シネマ・パラダイス」と比較されるが、私は映画「僕らのミライへ逆回転」が浮かんだ。
バカみたいな事故が故に、レンタルビデオ店のテープが磁気でダメになり、自分たちで映画をリメイクし撮り直す話だ。
好きで撮り直してる訳ではないが、監督の映画への愛情をこの映画からすごく感じる。
最後のシーンなんて、「エンドロールのつづき」のサマイが映写機を作り、みんなに見せるシーンと繋がり、「見てもらいたい」という気持ちに感動してしまう。

また、大学入学時、すでにビデオカメラはあったし、編集ソフトもあったのに、何故か15ミリと35ミリで撮影する授業だった。フィルムで切り貼りする編集、映写するときのカラカラとした音、懐かしい気持ちになったなぁ。
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