健一

クレッシェンド 音楽の架け橋の健一のレビュー・感想・評価

3.9
最近、映画館でメジャーな作品ばっかり観ていて こりゃだめだ!と思い本作を見るために朝早く出掛ける。
自身 ちょっと久しぶりドイツ🇩🇪の作品。

『音楽』の底力を感じさせてくれる作品。
憎しみ、赦し、自由の権利。それらを越えるものとは・・・
この作品が教えてくれます。

紛争中のパレスチナ🇵🇸とイスラエル🇮🇱から若者達を集め オーケストラを結成し 平和を願うコンサートを開催する企画。
指揮をとるのは音楽界の『ポルシェ』と言われている世界的指揮者のスポルク。
しかし家族を殺されテロの攻撃にあい 憎み合う両陣営は激しく ののしり合う。
だが、時が経つにつれ寝食を共にし 互いの音に耳を傾け 経験を語り合い徐々に打ち解けていく若き音楽家たち。
だが予想だにない事件が起きてしまう・・・


ここから ちょっと ネタバレ!



『個々に修正箇所はあるが、全体的には満足だ!』
指揮者のスポルクが若者達の演奏を指揮した後に彼等に向かって言った言葉。
だがそれは本作にも言えることでした。😅
『実話から生まれた感動作』とあるが、一体どこまでが本当の話なのだろうか?
全て実話なら本当に素晴らしい作品だと思うが、この悲劇に涙を誘うような『ウソの出来事』が存在しているのだとしたら 申し訳ないが少し引いてしまう。

『音楽を奏でている(つまり演奏している)』シーンはとても感動的で涙が止まらなくなる😭
だがそれ以外のシーンはイマイチ響かない。
それは恐らくパレスチナ人、イスラエル人の人々が抱えている苦しみ、今まで抱いてきた過去の壮絶な経験が、我々平和ボケしている日本人には到底理解出来ないからだと思う。
これは、私の責任だ!
ラスト近くで起こる悲惨な事件もなんか『?』って感じ。
こんな身勝手な行動で全てがぶち壊しになるなんて、今までの行動はなんだったの?と感じた。
この事件も実話なの?

ラストの『演奏』はとても感動した。
溢れ出る涙が止まらなかったのだが、エンドクレジットが流れた瞬間 突如感動が失せてしまった。
何故?
そう。それはこの作品が『バッドエンド』だったからなのだと思う。
『世の中そんなに甘くない』と本来 現実逃避させてくれるはずの『映画』から そんな事を言われてしまったように感じたからだ!

現代社会の『紛争の闇』をリアリティー重視で描いた力作である。
しかし、それを重視した為 劇的な感動、興奮は削ぎ落としてしまった作品であるのも確か。

あなたはどう観る。どう感じる?


2022年 2月2日 9:20〜
シネ・リーブル池袋screen 2
💺130席
客入り 40人前後。

超久しぶりに水曜日に映画館へ。
そうか!今はレディースデーじゃなくて 男性も安く観れるんですよね!忘れてた😅。
鑑賞後、出社🚶‍♂️。
健一

健一