nekonomachi

クレッシェンド 音楽の架け橋のnekonomachiのレビュー・感想・評価

3.8
過去から現在へと受け継がれる憎しみの連鎖

指揮者はまず互いへの不満を吐き出させることからスタート。
罵声と怒号の聞くに堪えない騒音は美しい音楽とは対極にあり、彼らの最初の状態を的確に表現するものでした😓

次に疲れ切った彼らから出たのは悲しみの声。

「祖母から何百回も聞かされるうちにそれは自分の痛みとなったんだ」
「祖父はもう70年も帰ることのできない家の鍵を持ち続けている」

両者の歩み寄りは並大抵のことではなく、言葉だけでなく行動により少しづつ近づけようとする試みが心理学の療法のようで、斬新な方法に驚かされました😳

敵視していた相手に互いの共通言語である音楽で気持ちに寄り添おうとする変化が印象的😌✨
ボレロはたったひとりの小さなドラムのリズムから始まり次々と楽器が加わっていくのが特徴です。🥁🎺🎷🎻

平和への呼びかけも今は少人数でもみんなが加わってクレッシェンドして、いつかは大音量になる。そう信じたくなる作品でした😊🍀
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