タクマ

クレッシェンド 音楽の架け橋のタクマのレビュー・感想・評価

4.3
見たで。
和平交渉の中で合同楽団を結成するイスラエルとパレスチナの若者達。破壊と殺戮の歴史で生まれた憎しみを消す事は難しく…怒りと拒絶の厳しい現実を描きつつそれでも音楽の力を信じぬく着地が見事で国境も民族も越えた平和への演奏に涙。世界に響け、愛と魂のボレロ。傑作。
紛争による対立国同士の混合チームと言う実際は難しそうやけど実在するアラブとユダヤ人の混合楽団がモデルになった作品だそう。平和に慣れすぎた日本に住んでる自分には彼らの見てきた争いの現実を辛いとは理解していても心のどこかで他所の遠い国の人達は大変だなあみたいな他人行儀な見方をしてしまいそうな感覚がある。そんな頭お花畑な僕でも日頃SNS等でみかける外国人の人達に対するヘイトスピーチをみてこういう人種や国籍から来る対立は現実にある世界なんだと思い悲しくなる時がある。
音楽は世界を救うのは綺麗事…だとしても少しずつお互いの音と向き合い1つになって行った彼らの様に現実の世界もお互いの憎悪も過去の傷も向き合う事を前提とした真の平和へ向かって歩くのが必要なのではないだろうか?そういう可能性を示してくれたこの映画の存在は本当に偉大だ。自分の後の世代は国境も国籍も越えて皆で楽しく歌える平和な世界になります様に🙏
タクマ

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