このレビューはネタバレを含みます
実話ベースらしいのでストーリーはこれでしかたないのかな。亡くなることでコンサートが中止というのがフィクションなら安易と思ってしまうが事実なら残念。試みとしてはいい企画だったと思う。
でも細かいところで気になるのはイスラエルとパレスチナを対等な関係として描き過ぎていること。歴史に疎ければどっちもどっちに見えてしまう。パレスチナが占領されて追放されたのとユダヤ人がホロコーストに遭い移ってきて周囲の反発を勝ったのを一緒くたにしてはいけない。ホロコーストをしたのはパレスチナ人ではないのになぜ彼らが犠牲にさせられているのか、シオニストたちがどれほどのことをパレスチナ人に70年間してきたのか。テロが起きているのはなぜなのか。そこまで描けないのはわかるがまったく対等ではない両者を「音楽会のためにこのようにした」とわかるように表さないと、音楽に限らず学ぶ機会を奪われているパレスチナ人とものすごく高い教育水準を保っているイスラエルのユダヤ人の違いをサラッと感じさせるくらいでは足りない。
その辺が「ドイツ」の偽善ぶり全開だった。
出来事として、若者たちの努力があったことについてで点数をつけた。
「映画化」としてはいい作品とは思わない。