今夏の仕立て屋映画part2。
職人気質な中年男性のコミカルでハートフルな自立と再生の物語かと思いきや、ソフトでどこかほろ苦い印象が残る100分でした。
冒頭はとっても静かだけど、朝の出勤タイムにMr.ビーンみたいな風貌の主人公ニコスが店の裁ち鋏で鼻毛整えてるし、出勤したらしたで絵に描いたような閑古鳥のお店が映るしで、とってもコミカルな映画が始まるのかなと思ったら…
ちょっと違った。
この映画のわかりやすいコミカル度合いは冒頭3分がMAXでした。
遅れて出勤してくるお父さんがかなり「妥協は許さーん!」な昔気質の職人さんで、誰がどう見てもニコスにとっては目の上のタンコブっぽいのですが…ニコスは特に反抗しようとしません。
そんな物静かで律儀な主人公ニコスのセリフ自体はそんなに多くなく、大体音楽と空気感が代わりに語ってくれます。
そのニコスがローン返済できず差し押さえられそうな店をなんとかしようと始めた露天商が、事の転換の始まりです。
スーツだけ作ってた人がウェディングドレスを作ることになるわけですが、ソーイングって見ててなんか楽しいですよね。
結局は自立と再生の物語ですが
ただ静かな映画というわけではなく、
井戸端会議で登場してくるお父さんの賑やかフレンズと、子供らしい可愛らしさで画面を華やかにしてくれるお隣のお家の娘さんのおかげでなんだか和める場面も。
ただ後半は、そのなごみ要素もなくなっちゃうのだけど…
大きな転換もないですが
反対に大きな転落もないので
フワッとさらっと見れるギリシャ映画でした。