カズザク17

テーラー 人生の仕立て屋のカズザク17のレビュー・感想・評価

テーラー 人生の仕立て屋(2020年製作の映画)
3.8
音楽や台詞が少ない、どちらかと言えば静かな映画。靴の音、ミシンの音、ハサミの音、波の音等が、耳に心地よく響いてくる。物が溢れている、暗くて狭くて雑然とした仕事場。職人の仕事場感が満載の、独特の雰囲気を醸し出している。
オーダーメイドの高級スーツから、オーダーメイドのウエディングドレスへ。どちらも、お客さんの為に良い物を作って届ける仕事だけど、幸せがいっぱい詰まったウエディングドレスの方が、受け取るお客さんの笑顔がいい!
同じ物を作り上げていく中で、お客さんの喜び・笑顔を分かち合う中で、一緒に居る時間が増えていく中で、自然にひかれ合っていく二人。家族を含めた二人の「家」の距離が近過ぎで…二人を見ていると、自分達の気持ちに素直に生きて欲しいと思う。一方で、子供を見ていると、一歩手前で踏みとどまって欲しいと思う。複雑でもあり、残酷でもあり、切なくもある設定である。