このレビューはネタバレを含みます
最後に彼女の車で連れてってというエンドはthere is a light that never goes outを体現していて最高に良い。
最後トラックに衝突して死んでも良かったと思うが、あえてハッピーエンドにしていたのは、スミスの解散を乗り越えて厨二病から大人に成長していくということのメタファーなのかもしれない。
スミスが好きな若者にありがちな、他の音楽を下に見てしまう空気と対比しているのがラジオ局のDJ。メタル以外はクソだと言わんばかりの態度だったのに最後にはスミスの良さを受容している。狭量な厨二病の若者が成長したあとの像がそこにはあった。
バカなことをやって、恥ずかしくなるようなことをたくさんして、そうやって大人になっていけばいい。ただ、それらに対する寛容さが現代社会には無い。
現代社会においては、若者の愚劣な行動の原動力は社会への反発、自己体現ではなく、”いいね”を稼ぐ承認欲求にシフトしてしまっている。といっても本質は変わらないのかもしれない。
失敗をして、寛容して、成長して、人と人を繋ぐ鍵に”スミス”がいたような社会への回帰を切望する。
税金高すぎるし、将来不安だし、若者の非力さを日々感るが、80年代の退廃的な若者に自分を重ねて明日からも頑張ろうと思います。