JohnConstantine

スレイヤー 7日目の煉獄のJohnConstantineのネタバレレビュー・内容・結末

スレイヤー 7日目の煉獄(2020年製作の映画)
3.2

このレビューはネタバレを含みます

あらすじとしては、ヴァチカンがエクソシスト養成から手を引く中、巷では悪魔憑きが増加しており、現場ではヴァチカンの意図に反して着々とエクソシストを養成し精鋭部隊を作っている。そんな背景の中、養成学校を卒業したての期待の神父ダニエルがベテランエクソシスト・ピーター神父(ガイ・ピアース)の指導を受けることになる。2人で一家殺人を行った12歳の少年チャーリーに取り憑いた悪魔を祓おうとするが、実は悪魔が取り憑いていたのはピーター神父だった、というお話。

エクソシスト物は基本的に
具合の悪い人間→手の施しようがなく神父を呼ぶ→悪魔憑きが判明→悪魔祓いのパターンで、結末は
①悪魔祓い成功
②悪魔祓い成功かと思いきや…
③惨敗
という感じだが、本作のアイデアはそのどれにも属しておらず、発想は評価できる。

本作はエクソシスト神父の方から悪魔を探していくスタンスから入るが、ここはヴァンパイアハンター的でちょっとワクワクさせる。
しかしながらちょっとした悪魔とのバトルも大して見られず本丸へ。
このあたり、型破りなピーターならではの悪魔祓いのテクニックや、技術のみならず人柄にもダニエルが引き込まれて行くような描写がなく、非常に物足りない。

ダニエル神父は一家を殺した少年チャーリーに悪魔が取り憑いていると確信して悪魔祓いの必要性を感じるも、どうやらチャーリーに取り憑いた悪魔に一枚裏がありそうで…
悪魔の力を存分に見せつけて警察署内で人を殺しまくったチャーリー、我に返って取調べに同席していたダニエル神父に、自分に悪魔を引き込んだのはあの人と示した先にはなんとピーター神父。

冒頭にピーター神父が師匠と悪魔祓いを行い失敗するエピソードがあるが、その時点でピーターに悪魔が憑いたのだろうか。
そして実は何人ものエクソシストをトレーニングしてきたピーター、その弟子にも悪魔を取り憑かせたようで、全てを悟ったダニエルはピーターを殺したあとに、悪魔に取り憑かせたニセエクソシスト達を狩るべく旅に出る、という所で物語は幕を閉じる。

結構好きなガイ・ピアースがエクソシスト、しかも型破りな不良神父というのでワクワクしながら見たものの、目の周りが黒くて人相悪いんだか体調悪いんだか、司祭服は着ないけどそのコートは一張羅なのか、法具は金色の十字架だけなのか、そして型破りというかぶっきらぼうで説明不足なダメ上司というキャラクターで、どうにも格好良さを生かしきれていないのが非常に残念。
この作品の魅力はガイ・ピアース演じるピーターの人物造形がそのほとんどを占めるのではないかと思うが、肝心のその点が残念な結果に。
そしてダニエル神父、若手のホープなのは分かるが、あまりにも青臭くてもう少し芯の強さや信仰で立ち向かおうとする気持ちの強さはあっても良かったように思う。

ホラー的な描写はあまりなく、ストーリーで魅せるタイプなのでグロ映像を期待してもほぼないです。

とにかくキャラクターを生かしきれなかったのが残念な作品でした。
エクソシスト&ガイ・ピアースで加点してこの点数ですが、人物造形はやはり及第点には届かないかな。
エクソシスト物が好きな人は一応見ておいてもいいかも。
JohnConstantine

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