アキラナウェイ

スナッチのアキラナウェイのレビュー・感想・評価

スナッチ(2000年製作の映画)
4.2
フォローして頂いているsnatchさんとお約束したので、もうすっかり内容を忘れてしまっていた「スナッチ」を再鑑賞。

ベルギーで86カラットのダイヤモンドを手に入れる事に成功した強盗"フォー・フィンガー"・フランキー(ベニチオ・デル・トロ)。ダイヤをNYのボスへ届ける途中、小粒の盗品を捌く為にロンドンに立ち寄るが、裏切りに次ぐ裏切りにより、ダイヤの行方は二転三転していく—— 。

登場人物大杉漣。
いや、多過ぎる。

12人の名前。
矢継ぎ早に切り替わる12人のショット。
覚えられる訳がない。

ここら辺のややこしさが既にガイリチ節。

キャラクターの多さと絡まり合う相関図。それを格別にお洒落な映像でテンポ良く繋いでいくものだから、観ている瞬間の"面白さの瞬間最大風速"はかなりのもの。でも、観終わると途端に、誰が誰だか何が何だかわからなくなってしまう。

hの発音が落ちる、見事なコックニー・アクセントの洪水。耳が惚れる。

パイキー*であるミッキー(ブラッド・ピット)の訛りが強過ぎて、英語好きとしては興味津々。dog="ドッグ"は"ダグ"。イギリス人でも聞き取れない。

*パイキー(Pikey)とは、差別的意図を含むスラングで、イギリスでは主に旅行者、ジプシー(放浪人)、または社会的身分の低い人々の事を指す。

この時期の、「ファイト・クラブ」や本作でのブラピのカッコ良さが尋常ではないレベル。身体の仕上がり方が素晴らしい。裏ボクシングで、八百長に全く協力しないボクサー役がハマっている。

同じ時間軸で、3台の車中で繰り広げられる会話劇や、そこから偶然が繋がり合って引き起こされるカークラッシュが最高!!

ガイリチならではの、瞬時に切り替わるカット割。上から・下から・斜めからのカメラワークもやはり俊逸!!

終盤のボクシングシーン。
爆音で流れるoasisの「Fuckin" ' In The Bushes」でテンションはガン上げである。

snatch=ひったくる、さっと取る

果たして最後にダイヤを手にしたのは——?

登場人物の多さや、こちらがついていけないスピードで切り替わるカメラ割りが影響して、どうもストーリーを忘れてしまいがちなガイリチ作品だけど、再鑑賞してみると、やっぱり面白い。

「ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ」もいつかまた観よっと。