Ricola

スナッチのRicolaのレビュー・感想・評価

スナッチ(2000年製作の映画)
3.5
さまざまな人たちの思惑が連なっていき、なんとか目的に到達するために奮闘するが、なかなか思い通りにはいかない。
なぜなら、皆バラバラだからだ。


個人的に、筋書きよりも素早い編集などの演出が気になった。

例えば、監視カメラの映像を小さなテレビで観る。
これはオープニングのみならず、作中でも度々用いられている演出手法である。
敵対する者同士や手を組んでも腹の探り合いをする者たちが、相手の状況をこっそり確認したり、単純にテレビ電話のようなコミュニケーションツールとして使われる。
ノミ屋の強盗や、イギリスの宝石屋などの様子を「監視」したりするのだ。

スローモーションやストップモーション、早送りや分割画面などの多用によって、どこを切り取っても画になるようなスタイリッシュなショットを連続させる。
そのおかげでアクションシーンもパターンに留まることはなく、見飽きることがない。

やけ酒からの飛行機、そして検問所のハンコ、という流れを最短でわかりやすく伝えること。
それが繰り返されることで、こちらでは逆にパターン化され、それが功を奏して程よいコミカルさの演出に至っている。

カッコ悪いけどそれがカッコいい。
そう思えるのは、彼らが自分たちの信念をもとに動いており、たとえ失敗したとしてもそこで終わらないからだ。
Ricola

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