エリオット

猟銃のエリオットのレビュー・感想・評価

猟銃(1961年製作の映画)
4.1
愛は執着だ、君の中には白い蛇がいるなどと言い放つ佐分利信
そう言われて思い当ってしまう山本富士子
おぼこ若妻から8年を経て立派な有閑マダムに変じる岡田茉莉子
優柔不断な優男がいつでも似合う二枚目佐田啓二
この4人が織りなす愛憎劇だがやはり女性2人が主役。

山本富士子の出演作はほとんど見たことがなくて圧倒的な美貌のわりに演技はあまり上手くないのかと勝手に思い込んでいたけど本作で見せる様々な表情は良かった。
誰も幸福になれないことが最初から分かるストーリー展開となんとも言えないオチは井上靖の短編小説が原作ということでいかにも文学的。

冒頭とラストの白い雪や部屋の窓から見える煙突から上がる赤い煙など色使いが印象に残るし、しばしば登場する2つの部屋の室内デザインがモダンと和的で対照的だったりしてその辺りも面白い。
途中で猟銃と鏡が出ているところも怖くていい。
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