グッチー

コーダ あいのうたのグッチーのレビュー・感想・評価

コーダ あいのうた(2021年製作の映画)
5.0
フランス映画「エール!」のアメリカでのリメイク版です。

最近は、リメイクとかリブートとか、安直に過去作をなぞって失敗している作品が多いイメージですが、この作品は本当に珍しくリメイクがかなり上手くいっていると思いました。

特に、主人公一家の家業が酪農家から漁師となったのは、酪農家がそこまで健聴者を必要としないのに対し、漁師は船に健聴者を乗せないといけないというルールがあるため、一家のなかでの主人公の立場が明確になり、自分の進みたい道と家族との間で葛藤する感じがより伝わるようになったと思いました。

また、重要なシーンは基本的には原作に忠実でしたが、弟から兄に変わっているところとか、試験のときに両親が入ってくるところとか、ラストの別れのシーンとか微妙に改編されており、ここも原作よりもより感動するように上手く作られているなぁと感心しました。
あと、主人公が歌う歌の歌詞も原作以上に手が込んでいるように思い、そこも良かった部分だと思います。

原作でも十分感動できますが、それ以上により素晴らしい作品に仕上がっていたため、アカデミー賞の有力作品になっているのも納得という印象を受けました。
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