MidoriK

コーダ あいのうたのMidoriKのネタバレレビュー・内容・結末

コーダ あいのうた(2021年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

温かい気持ちになれる映画でした。

冒頭の曲「Something's Got a Hold on Me」はバーレスクの序盤でもアギレラが歌ってましたが、同じ曲なのに雰囲気が全然違っていて良かったです。

物語は、聾啞者家族の中で1人健聴者である彼女の葛藤と、健聴者の社会で生きる聾唖者の世界がゆるやかに、でもはっきりと描かれていたと思います。
家族を支えることが徐々に負担に感じ、家族は無意識に甘えてしまい、自分の人生が無くなってしまうと感じる不安が痛いほど感じました。

多感な年齢の時に親の性病の説明をしなくてはいけないのは地味に辛い…。

どちらの立場にも立たず、先生として接するV先生がとても良かったですね。


発表会のシーンで周りの表情でしか状況を読み取ることができない家族たち。
あれだけたくさん練習したデュエットソングも何も聞こえないんだと私も少し理解することができました。
でもその夜に、娘の喉に触れて歌を感じるお父さんのシーンが一番素敵でした。
発表会との対比になっているようで、ポロポロ泣いてしまいました。

最後の試験のシーンも、歌を感じるのは「音」だけじゃないんだと、エミリー自身が示してくれて、コーダとしての最大の強みを見せてくれました。2つの世界を1つにしてくれたのは彼女でした。


個人的にびっくりしたのは、手話で喧嘩するシーンは音がなくともこんなに熱量があるんだということ。
家族役は全員聾唖者の方で、監督もアメリカ手話を講習して撮影に臨んだということもあり、とても熱意のある映画でした。
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