初恋・家族・差別・偏見・ヤングケアラー(児童労働)・障害・合唱・夢・人生・大人の性(男女関係)等々
多くの内容を詰め込みまくり
定期的に健常者が気が付かない聾唖者とその家族についての苦しみや葛藤等を観客に投げ掛けるが無理矢理感や違和感のないストーリー展開
笑いあり涙ありの評判通りの名作
父・母・兄・娘の四人家族で娘以外は聾唖者のため娘が家族全員の耳と口になり
日常生活から漁船仕事まで全てのケアを行い３時起床で漁へでるため
学校では寝てばかりで同級生からは当然イジメの対象に…そりゃ可哀想だが魚臭いだろうに
また娘以外は性にオープンで(特に父親)
行動やジェスチャー・手話にも下ネタを多用し
やり過ぎでは…と戸惑うのだが聾唖者が清廉潔白というこちらの勝手なイメージを完全否定しつつ後半ではそのギャップがグッとくる上手さ
彼女が序盤
合唱部入部時のパート選別で「ハッピーバースデー」の歌唱時
先生(最高に良い先生)が私の誕生日を祝う気持ちで歌うよう全員に促し
皆が当たり前のように歌いパート分けを行うが主人公は自分の番になると走って逃げ出してしまい
恥ずかしさからか…とも思えたが
説明等は無かったが彼女は生まれてから今まで一度もその歌を歌った事が無いだろうし…
他の家族全員が聾唖者の場合
当然誕生日に歌でお祝いなんてことはあり得ず
何気ない日常の中に潜む多くの障壁が感じられそれ以降は落涙の連続
そして今作彼女の初恋の相手でデュエットする男子が
私の好きな映画「シングストリート」のボーカル役
フェルディア・ウォルシュ・ピーロ
シング…以降久し振りに見たが垢抜けない容姿は健在で今作でもギターと歌唱を披露し憎みきれない好青年に(以前より歌が下手なのは演出かな…)
武骨な兄の存在や音楽使い等から「シングストリート」が連想されその夜に再鑑賞したが
どちらも「The Clash」の「I Fought the Law」が特徴的に流されており
負け組が１発発起し相手に立ち向かう的なイメージにはピッタリだが
配役からも監督はどこか意識している部分が有るのではと感じられた
