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コーダ あいのうたのNOBUのレビュー・感想・評価

コーダ あいのうた(2021年製作の映画)
4.8
まず感激の一言しかない映画。
実際に聾唖の俳優が演じていることもあってか、目の動きやなんとも言えない間、そこにコメディー要素が絡んでいてとてつもなく心地よくストーリーを展開させている。
父親役のトロイ・コッツァーや母役のマーリー・マトリンもこの世界ではとても実力のある俳優さんの様で、確かに芝居というカテゴリーを超えた表現力で家族愛を描き出している。
そう、兄役を含めた三人が聾唖を演じていないからである!

構成はやや普遍的ではあるが、終盤にかけて音と映像の見せ方が卓越していて監督の表現力が随時に渡って広がっている。歌のシーンなんか観ていて思わず、「うまい!」と叫んでしまった。
そんな作品のヒロインを演じたマーリー・マトリンを忘れてはいけない。彼女のお芝居に彼女自身の人柄が出ている。
監督のキャスティングの旨さが際立った映画であないだろうか。
映画は人間を描く媒体であるが、これこそ映画の良さを醸し出した逸品の様に感じる。
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