TaiRa

コーダ あいのうたのTaiRaのレビュー・感想・評価

コーダ あいのうた(2021年製作の映画)
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70年代以降の松竹映画みたいな感じ。可もなく不可もなく、でもそれで良い映画。

オリジナルのフランス映画は観てないから、どこをどう改変したのか細かいことは知らないけど、選曲とか分かりやすい設定変更に関しては改良と言えると思う。両親の下ネタ周りはフランス映画の名残なんかな。ヨーロピアンな音楽講師とかね。ああいうベタな感じは欧州由来って感じ。その辺のギャグと小洒落たアメリカン・ティーンドラマが丁度良く混ざってんのが良い。音楽とかも変にチャラくしないで(台詞で『ピッチ・パーフェクト』とかネタにする塩梅)、60s〜70sの渋めの楽曲で固めたのが老若男女受けするポイントかもね。レコードリバイバル時代の田舎のティーンならこの選曲でも不自然さはないし。シャッグスのレコード持っててもね。脚本も演出も正攻法過ぎて物足りない気もするけど、出来が悪いわけではないので何とも言えない。せっかくなら彼氏との胸キュン描写もっとくれよって思ったけどね。絶妙な感じにボケっとしててかわいい男子でキャラ造形良かったから。親子のドラマは泣かせポイントの絞り方が好感。泣かせにかかり過ぎてダラダラする映画大嫌いなので、一点突破してくる感じは品があって良い。お父さんが歌を「聴く」とこ普通に泣いちゃうし。当事者キャスティングに関しては、まぁ大前提として業界における雇用機会の問題なのでこうなる動きは必然だろうなと。当事者だから良くて非当事者だから悪いって話でもないし。トロイ・コッツァーは良い役者だなって思えた。
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