とにかく泣ける作品。納得のアカデミー賞３冠。
どのシーンにも人間らしさと愛がふんだんに詰まっていてとても素敵な作品だった。
聾者の目線に立った映像の描き方はかなりこだわりを感じ、一気に視聴者が引き込まれる巧みなワンシーンで忘れられない場面だった。音のない世界、思わず涙が込み上げてくると同時に、出演者全員の思いがよりクリアに感じられた。
音楽ももちろんとてもよく、場面に合っていたり、伏線になっていたり、文句なしだったと思う。特に主人公が耳の聞こえない家族に感情120%で歌を歌うシーンが最高でした。
父親役のトロイ・コッツァーと母親役のマーリー・マドリンは実際に耳が聞こえない中で俳優をしていると後から知った。キャスティングの際に少し制作会社と揉めた。。。というニュースを見て、この作品のコンテンツとしての価値だけでなく、クリエイティブ産業の革新をも生み出した意義のある作品であると感じた。日本でもそんな俳優を使った作品が出てくるのだろうか？
私が見に行った際、両サイドとも男子大学生3人組だったが、全員鼻を啜りながら泣いていたのも印象的だった。若者、特に若い男性に刺さるコンテンツの１つとして、このような音楽×思いやりあふれるヒューマンドラマや、独立するという誰もが経験したことのある当たり前という切り口が有効なのかな、とも感じた。
途中、少し耳が聞こえないことを悪く描きすぎているような気がした。バランス感がとても難しい作品だと感じたが、他の人はどのように感じたんだろうか。。。必要な演出であるようにも感じたが。。。
