昨日癖強映画を3本も観たからか、王道で苦味のない映画で自分の感覚がリセットされた感じがして良かった。
手話って手だけじゃなく、表情とか体全体を使うコミュニケーション方法だからか、めちゃめちゃ映画的なツールだなと思った。手話の手と手がぶつかる音がとても良い。
この映画がアカデミー賞を受賞したことは、アメリカ、とりわけハリウッドの映画史的にとても重要な意味を持つことは実感できた。
ただ節々に映画という芸術としてのこだわりを感じられなかった。さすがにあの静寂は素晴らしかったが、他はいまいち。両親の心情を深掘ることもなく、トントン拍子でご都合主義な恋愛もあり、物語の周辺領域の解像度が中途半端だった。ラストショットになりうるショットがいくつもあったのに、結局平凡な俯瞰ショットにしたのはとても残念。手話なんだからラストあの手のアップとかでいいじゃん。