コーダ あいのうたのししまるのネタバレレビュー・内容・結末

言葉は必要なく、ただただいい映画。

後半畳み掛ける名シーンの数々。
映画館がおすすめ。

ろうの役はろうの俳優が演じたそうで、異常なまでのリアリティと解像度に納得。

露骨な差別が露骨にあるわけではなく、ただ現実がそこにあり、ありふれた若者の悩みと現実がそこにあった。
映画だからこそ、感動的な結末、ある種のカタルシス、じんわりとした後味を残してくれるけれども、それは映画だからだよな、という緊張感があった。


分かり合えなさの表現が白眉。
あまりにどうしようもなく分かり合えないこと、それでもなんとかわかりあおうともがく姿勢の尊さ、まさしくラブのストーリーである。

こんなにぶつかりあってそばにいても分かり合えないのだという切なさには身につまされた。
だからこそ、それでももがいて分かり合っている部分が愛おしいのだが(何を言っているのだか)。
これから主人公の人生では富裕層とか違う意味でまた分かり合えない人たちと出会っていくだろうけど、分かり合えなくても分かり合える、共に生きていけると信じたい。ただ家族から解放されたくて音楽の道を選んだわけではないのだから。