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コーダ あいのうたのnamのネタバレレビュー・内容・結末

コーダ あいのうた(2021年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

ただの"ハートフル映画"じゃなかった。
"聴覚障害者の人"ではなく
キャラクターをわからせる
一瞬一瞬の演出がすごく上手で
ひとりひとりが激しく生きていた。

始まりこそ家族が恥ずかしくて貧しくて
周りにからかわれて好きな人に遠回しに近づいてって、青春映画の設定なんやけど
家族の事情がこう絡むと
今までに観たことのない
これはオスカー納得の作品だった。

今の私の気持ちにもぴったりハマった。
人は一人では生きていけん。
ずっと頼られて生きてきて
でも頼られることも生きがいだったりして
家族が足枷のように感じたりして
苦しい

だからこそ叫んで
飛び込んで
その姿はどこにでもいるティーンエイジャー


先生や彼が才能を認めてくれて
それが家族にとっては
よりによって音楽だなんて

先生や、彼に出逢わなければ憎しみになったのだろうか。どうだろう。

"よくある"怒鳴って激しくするであろうシーンも
この家族は音のない中踊り狂うように動いて、嫌に動いた音や激しい吐息で
今までにないヒリつきのあるシーン。

ずっと練習してきたあの歌を
いざ聴きたい!って時に
お父さん視点になり
聴かせない演出が
なんかもう。

改めて世の中の色んな場所って
何も配慮されてないんだなって
気付かされた。

わかり合いたい人とわかり合えない
伝えたい人に伝える
それがこんなにもどかしい。
それでもそれを伝える表現が
シンプルだけど素敵だった。
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