Harumakiさん

コーダ あいのうたのHarumakiさんのレビュー・感想・評価

コーダ あいのうた(2021年製作の映画)
4.1
【 聞こえない親のもとに生まれた
      聞こえる子ども    】

この映画は、コーダと呼ばれる少女で描かれる、家族の大切さを再確認させられる特別な作品でした。
今作を通して初めて“コーダ”の意味を知り、自分以外の家族が聞こえないという生活はこの日まで考えたことがありませんでした。
ジョークも多く笑いながらもシリアスな展開に悩まされ、それでも家族の温かみがしっかりと伝わるいい作品でした。
久しぶりに泣きましたね。

●我慢する人生。
今作の主人公ルビーは、自分の人生を押し殺してまで家族の一員として生きることを決意していましたが、このような家庭では本当に生きづらい世界が現実なんだと確認させられました。
何が悪いとかではなく、ただただ1人の人生が救えないというのは悲しすぎる。歌に興味を持ち、それでも私抜きでは生きていけないと考えるルビーには切ないと言う気持ちでいっぱいでした。
“コーダ”である人はその人でしかわかり得ないものがあり、それに共感することはまずできない、、、。だけど、今作を通じて知れる世界が広がったのは確かでした。
今作はまだ笑える要素や下ネタなどのジョークが多くありましたが、やはり現実的に考えるととても考えさせられる物語でした。

●家族の存在。
ルビーを頼りにと生きている一家。

・作中何度もイライラしてしまうそぶりや演出が多くありました。耳が聞こえないためルビーに翻訳してもらい、仕方がないことではあるが1人の人生を縛ってしまうほど頼りきってしまう。特に父親と母親が気難しく、ルビーの本心に本気で向き合っていないようで悲しくもイライラもしてしまいました。
ただ、娘を愛していないわけではなく、人生を自分達のものにしたいと言うわけではない。ベッドでの母との対話シーン、大学に通わせてやりたい、夢を追わせてやりたいと思う父と兄の行動、その全てから“家族”の絆が深く感じられました。
なにより兄の偉大さが大いに感じられます、、、、「家族の犠牲になるな」誰よりもルビーの人生を第一に思っているんだとわかる一言でした。
物語終盤、大学への入試試験で歌を披露するルビーの前に家族みんなで支えにきた場面は心にグッときます。聞くことでしか分からない“歌”を手話を交え家族に伝える。とてもいい演出で印象深かったです。

・もう一つ、号泣した場面は父親の「Go」という一言。自分の発している言葉が合っているのか、分からなくとも娘にしっかりと音として伝えた姿には泣かされました。
その後のルビーの“I love you”の手話の形にもグッとくる、、、。
でも、どの国でも親の嫌な絡みは恥ずかしくて仕方ないね(笑)
翻訳するルビーが嫌々汚い言葉を言うシーンは目を隠してしまう!

◉まとめ
この作品は、コーダとして生まれたルビーが家族を支え、時には家族に寄り添い支えられる、そんな家族愛を描いた映画です。
シリアスな展開や物語だったとしても、狭間狭間に入れられる手話でのジョークや登場人物のユニークさが堅苦しい作品にさせていないと思いました。
まだ知らない世界がここにはあるんだと、今作を通じて知らされました、、、、ここ最近では本当に影響力のある家族ムービーでしたね、、、。
本当に、面白かった!














ワンピースのレビューもある中、行ってしまった、、、、『ジュラシックワールド』。
またまたレビューに悩まされる日が続くなぁ(笑)
それさえも楽しめるようにがんばります!!
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