家族愛がテーマで素直に感動できる作品です。みんなが聴覚障害の家族の中で一人だけ耳が聞こえる娘ルビーが主人公ですが、それを中心に至る所にひねりが加えられた設定が見事です。
障害はあるが明るくて仲の良い両親。聞いて話せるのに学校では引っ込み思案なルビー。父と兄はプロの漁師だが、規則からルビーがいないと漁に出れない。両親歌の才能があるのに両親にはそれが理解できない。自分が家族を引っ張って行きたいのに妹に頼る両親を見て葛藤する兄。などなど。
そうして整った舞台に、美しい構図のショットや、実際に聴覚障害を持った役者陣も含めた見事な演技が相まって、面白くならないはずがありません。無音のシーンや家族に向けて歌うシーンなど、演出も神がかってます。
引っかかりなくすっきりと終わるラストが、良くも悪くもといった印象です。