「行け」
田舎町で家業の漁業を手伝うルビーは家族の中で唯一、聾唖者でなかった。貧しい環境に加え、周囲と家族の通訳という名の橋渡しの毎日に決まりきった将来だと諦めを抱いていたが、ふとしたことから歌の才能を見出され、自身の才能と未来を渇望していく、というストーリー。
言ってしまえば、サクセスストーリーです。分かりやすい展開に、分かりやすい結末です。しかし、そこに肉付けされた“聾唖者”という要素はとにかく残酷で、無慈悲で、愛や想い、怒りすらも私たち健常者が歩み寄らなければ、相入れないものなのだと強く伝えてくれていました。
良い映画ではありますが、非常に残酷で苦しい現実を見せつける映画です。自分はとにかく胸が苦しかった。
役者の役への作り込みの深さも注目です。