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コーダ あいのうたのhitomiのレビュー・感想・評価

コーダ あいのうた(2021年製作の映画)
3.7
ずっと気になっていた作品をやっと!
ただ、思っていたよりあっさりでした。
それでも号泣してしまうのは脚本の力もあるけれど、おそらく彼らの生きづらさを勝手に色眼鏡で観ているからだと思う。とはいえ、ろう者たちが聴者中心の世界で生きづらいのは事実だとは思う。当事者ではないので言い切れないけどね。

原作も観ていたので、もっと劇的にリメイクされるかと思ってましたが、意外とテイストが似てた。個人的にはもっと色合いや構図に凝って欲しかった感もある。でもそれがリアルさを醸し出しているのかも。

原作の感想でも書きましたが、この作品は確かに感動物語ではあるものの、ヤングケアラーや社会構造、ルール、いろんなところに課題が多く残ってると思います。
ただこういうのってなかなかすぐには解決できないのも分かる。でも、両親の部屋の音が鳴らずに光が出るアラームみたいに、テクノロジーで少しずつ手助けや解決ができるようになったらいいな。それがITの可能性だと思う。

こういう作品を観て、ろう者について少しでも知るきっかけができるのはすごくいいことだと思います。彼らは確実にこの世に存在しているのに、たくさんの創作物(映画や漫画、ドラマ)であまりにも存在感を消されている気がする。
創作物にマイノリティーが出てくると、全てに意義を見出そうとして「なんで出てくるの?」って思う人めちゃくちゃ多いよね?意味なんてないよ。なくていいんだよ。彼らはこの世にいるんだから。

なんだか少しだけ怒りたくなるけど、そんな気持ちもひっくるめて原動力になる作品でした。
みんなで少しずつ社会を変えていきたいね。
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