ゆず塩

コーダ あいのうたのゆず塩のネタバレレビュー・内容・結末

コーダ あいのうた(2021年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

【あらすじ:ろうあ者の家族の通訳となってしまっている女の子が、自分のやりたいことを見つけ、家族か自分の夢か選択を迫られる話】

出来事で一個だけ不満があって、漁業の通訳問題どうなった?
敢えて解決しない問題として答えを提示しなかった、ということなのかもしれないが。
主人公の悩みにはそれがあったし、監視員がついてピンチにもなって、と物語の一つの問題としてずっとあったのに。
明確な答えを提示せず、言及もしないで終わったのが不満だったなぁ……。

【テーマ:家族の絆】

映画としては、「主人公みたいな子供たちはどうしたらいい」という話じゃなくて、「こうした家族がいて、みんなこんなこと考えているよね」みたいな話なんだろうなって思った。
父、母、兄のそれぞれの気持ちや思い。
家族の話だけど、みんなバラバラだから、なかなかやっかいな人物配置な気がしたかな。

ろうあ者を優しい人だったり、弱気な人だったり、社会的弱者と分かりやすくキャラクター化してないのは良かったと思った。

【その他】

実は色々と理解が追い付いていない。
父が何で娘を急に大学に行かせようと思ったのか、わかるようでわからない。
父は、声が聞こえなくてわからないから、怖い、みたいな感覚はよくわかる。
コンサートで無音になる所は、初めて父たちと同じ目線に立てた気がした。
だから、自分も不安に感じたんだよねぇ。
不安を感じたから、音楽大学に行かせてあげようと思えるかわからない。
コンサート後のトラックで歌うところで、大学受験させよう、って決心したんだろうけれど。
ずっと迷っていて、やっと決心したということなんだろうけれど……。
たぶん、もう一回見ないとわからないだろうな、こりゃ。
父の感情が上手く追えなかったや。

好きなシーン。
主人公が、湖で遊んでいるときに、父と兄が監視員に通報される。
そのあと、自分のせいで状況が悪くなったと感じる主人公が辛すぎる。
ありゃぁ……辛いわ。私のせいじゃない、って思いたいけれど、思えないだろうし。
ああいう展開好きです。わかりやすすぎるけど、シンプルに悲しくて好き。

大学受験で歌う所、手話使う所は泣ける。
その集まりだけで伝わるコミュニケーションツール(手話)って泣ける。

あとあと、音楽の先生に「可能性を感じたから声をかけた」って言われるのが、少し自分と重なる所もあってグッと来た。
自分と重なるとやっぱりね。思いが乗っかってしまう。

とりあえず、もう一回見た方がいいかもなぁ。

最後に一つ……コーダという人を扱ったのは、題材としてとても良かったと思いました。もっと広く言うとヤングケアー。クラスに1人くらいは居るらしい(30分の1)。
ゆず塩

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