まる

コーダ あいのうたのまるのネタバレレビュー・内容・結末

コーダ あいのうた(2021年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

最高!号泣!めちゃくちゃ良かった!!!

聴者/ろう者、家族/娘、両者の気持ちが痛いほど伝わってきた。本当にいい意味で普遍的な関係だと思った。
そんなにじめじめせず、御涙頂戴的な構成になってないのも見やすいポイントだった。
手話で話す時の身振り手振りって、あんなに生き生きしてるのか!まさしく、生きた言語だと思った。
ジェスチャーは言語の壁を越えて多くを伝えられるけど、手話では聴者との壁をあまり越えられないという違いが浮き彫りになった。外国語と手話のどちらも、込み入った話をするには初心者にとって高度すぎるのかも。
ドライブマイカーでもろう者が出ていらしたので、やっぱり最低限の手話は使えるようになっておきたい。今後必要に駆られると思った。

ろう者だってジョーク言うし、手話が理解されないのを逆手に取ってるのも面白かった!笑った!
食器のガチャガチャ音とかがうるさくて、ルビーが迷惑してるシーン面白かった!こういう感覚なのか!と思った!むしろ聴者の家庭より賑やかなのかも。

冒頭の曲がバーレスクの1曲目と同じで、その時点でワクワクした!
そして、ハッピーエンド、サクセスストーリーを予感させるものだった!

経済的に余裕がないため学校の始業前にも働かなくてはならない、というのがシビアだった。
でもルビーはそんなに悲観せず、むしろ当たり前のように受け入れてるのが強いなと思った。
年頃だから色々気になっちゃうところも、青春だなと思った。
マイルズめちゃキュート!

思いがけず合唱部に入っちゃうなんて恋の力って凄い!と思った。微笑ましい。いじらしくてかわいい。
家族がろう者だと、歌を聞いてもらった経験がない・自分が音痴かもと思う、と学んだ。

V先生が本当に熱心で、時間を守る=リスペクトまでもルビーに教えてたのが素晴らしい先生だと思った。あと、事情があるのはルビー側だけじゃないんだ、っていうことも。
ちゃんと話聞いてくれるし。でも変に特別扱いしない。
オーディションにも一役買ってくれて、本当に素晴らしいと思った。

選曲が素晴らしくて、その時々のルビーたちの心情を捉えた歌詞だった。

ルビーをいじめてた奴らまじで胸糞悪かった。
マイルズもそうやけど、ルビー一家のことを"普通じゃない"みたいに言ったりしたのが、そりゃルビー怒るわと思う。ルビーからしたら、それが普通なんだから。

通訳係に疲れたルビー、愛ゆえに過保護なお母さん、なんだかんだルビーに通訳をさせちゃうお父さん、俺だってできると信じてほしいお兄ちゃん、みんなの気持ちがよく描かれてて、全員の気持ちが理解できた。
通訳できるのがルビーだけという理由でおんぶに抱っこもなかなか辛い。私のやりたい事はどうなるの?!って思うのもわかる。経済的に通訳雇えないのも分かるけど、だからって全部私がやらされるの?ってね。人助けは綺麗事や正論だけではできない。一度家族のために夢を諦めたけど、それがどんなに辛かったか。
結局、家族の都合のいいように使われてるだけじゃんと思っちゃうし、でも家族のことも大好きだから力になりたいとも思う。辛かっただろうな。やりきれない思いでいっぱいだったと思う。
それまでの家族はお互いに依存しててそれで問題なかったのかも知れない。でもルビーが羽ばたこうとした時、家族からの依存が邪魔してた。娘の翼をもいで閉じ込めるような。一方でお兄ちゃんのことを信じないあたり、結局聴者ですかと思わざるを得なかったり。
「自分で言えば?!」ってなかなかグサっとくる……。そう思う気持ちも分かるけど!私に言わないでよ!って思うけど!

ルビーが勇気を持って挑戦していけるのも、ひとえにご両親が愛情を注いで子育てしたからこそなんだな、と思えて本当に暖かくなった。
ちょっとデリカシーに欠けるけど、愛情たっぷりでチャーミングで仲良しな家族、素敵だった。
家族の犠牲になるな!って言ってくれたの、お兄ちゃんだけだったな……。もしかして一番早くに応援してくれてたんかも。

オーディションのシーンが本当に素晴らしくて、大号泣した。
ルビーにしかできない方法で、大事な人を誰も置いていかない表現ができるのは、愛でしかないと思った。
ルビーはたくさんの人を支えてきたし、同様に支えられてきたんだと感じた。

手話ができないからってコミュニケーションを諦めるんじゃなく、筆談なりタイピングで話そうと思えた。そう考えると、スマホが普及してる現代っていい時代なったなあと思えた。
そして、コミュニケーションって意外と言語以外の情報が結構大事だよなとも思った。
伝える手段が簡単じゃないせいで口には出せないけど、話す術さえあれば、誰よりも凄いことを考えて成し遂げてるのもすごかった。

ラストの漁業組合のシーン見てても、以前はお互いが腫れ物を触るような感覚が滲み出てたけど、そんなの要らない!って話だよなと思った。
お互いが歩み寄れば、できないことなんてない!と思えた。やはり相互理解が肝心。
ルビーが背負い込まなくてもあの3人は充分やっていけるのが嬉しかったし、誇らしかった。そして組合のみんなもいい人でよかった!
ろう者と聴者が交わることでお互いに勉強になってた。お父さんとか最後goって言えてたからね!!きっと組合のみんなに教えてもらったんだろうな!嬉しい!

ろう者は無力じゃないし、中身はわたしたちと何も違わない、というのを学べた。
まる

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