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コーダ あいのうたのシノのレビュー・感想・評価

コーダ あいのうた(2021年製作の映画)
3.9
2015年にフランスの「エール!」を観た。それのリメイクがコーダとのことで知ってる話の流れですが観てみました。
舞台設定は酪農から漁業へ変わってたりしたけど大筋はエールと同じ、ラストへの流れも同じ(だけどやっぱ良い話なのでまんまと感動)。わかっててもオーディションのシーンはとても素敵。マイルズお前は落ちたんかい!

エールとの違いは、エールの役者は全て聴者なのに対しコーダはろう者はろう者の俳優が演じていた事。エールでも違和感はなかったが(あったとしても手話話者じゃないから気づかない)コーダでは更にろう者の顔や全身の使い方が当たり前にナチュラルでとても良かった。ろう者をろう者が演じる、当たり前の事のようでなかなかすごい事ですね。

エールの時も気になったけど主人公のヤングケアラーさがとても気になる。仕方ない部分もあるんだろうけど家族ゆえの気やすさ&傲慢さに我慢を強いられる状況は健全ではない…でもそうじゃないと世間と断絶してしまうしだからといって「犠牲になる」(ルビーの兄の言葉)のは良くない…。

「僕らには僕らの言葉がある」というろう者と聴者がバッテリーを組む高校野球のマンガ、手話の知らなかった話が丁寧に解説してあり、かつ漫画としてもめちゃくちゃ面白いのでこの映画が良かった人には是非読んでもらいたいです。全く違う言語の一つなんですね。

あ、そういえばアマプラで字幕版で観たんですが、通常字幕とは別にバリアフリー日本語字幕版があったのも良かった。
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