れいん

コーダ あいのうたのれいんのレビュー・感想・評価

コーダ あいのうた(2021年製作の映画)
3.5
映画館で観たかった~っていつも言ってる気がする。
素晴らしい作品、賞を何個もとってる作品てことでとても良い作品なのだろうとは分かっていますが私的にはそこまでなのかな?と思いました。そりゃ泣けたり感動したりしましたよ、もちろん。ストーリーに起伏が見えずピークがどこなのか分かりにくくて、多分ここだろ?というところが違ったり、でも多分あそこなんだろうな。オーディションのところ。確かにあそこは泣けた。でも私は、発表会のときになぜあの表現をしなかったのだろうと思いました。ほとんどの人が聞こえる状態で事前に打ち合わせもなく会場の雰囲気とかもあるだろうし、あそこでただ普通に歌い家族は全くわからない表現を見せつけたところで、なぜ?が響き父親とのシーンに繋がりあのオーディションになるのも分かるけど。なんか、心がぐちゃぐちゃになりそうだったんだよ。私の心が。私が母だったら、ルビーだったらとか考えると。彼女のすごさや素晴らしさを一番そばにいる家族が理解できないのが辛くてたまらなかった。
終始、イライラが募った。ルビーのお母さんのせい。自分のことしか考えてない、自分のことしか見えてない。テレビ局くるからってあの胸のあいた服なに?自分アピールすごすぎ。娘がやりたいことを優先しようとすると邪魔してバカにして犠牲が当たり前な態度が許せなかった。
夫婦も気持ち悪かった。何か性的表現をあけすけなくちょいちょい出してくるのなんなの?二週間も致せないのに絶望してて、すげぇなってたまげたけど娘の前で恥ずかしさもなく人としていまいちよくわからなかった。娘を娘個人として扱ってなくて通訳者と思ってる?と頭来たけど、家族だからなんでも許せると思ってるならそれはそれでダメだと思う。お兄ちゃん最初からずっとルビーのことを思ってくれて行動してくれてたけど、ひどい言葉をかけた後に謝罪しているシーンがなくてひっかかったままだよ。「おまえが生まれてくるまでは平和だった!」って相当ひどいと思うんですけど。私、見逃してるのかな?
ルビーの歌声は素晴らしかった。本当に心を打つ輝きに満ちた延びの良い歌声。聞き惚れるってこういうことなんだって感じでした。こんなにも素晴らしいものを、知らず、聞くこともできず否定するしかなかった家族も悲しい。お父さんの首に手を添えて歌うシーンは泣けたなぁ。最近そういうドラマあったなと思ったけど間宮くんと清原さんのやつだ。
ヴィ先生が愛おしくて愛おしくて!なんていい人、そして情熱的!あのような大人の人がルビーのそばにいてくれて本当に良かった。子どもが家族のために自分のやりたいこと叶えたいこと夢を諦めるのはダメだ。きっとそうしなければならない子達がこの世にはたくさんいるから。だからルビーには諦めないで欲しかった。その姿勢を見せてくれて良かった。オーディションで先生かえっちゃったんかい!?と思ったら颯爽と現れて惚れたし、歌が身に入ってないルビーへの演奏シーンはもう惚れるしかなかったよね。
ルビーのような子がいることも、この映画を通して知ることができたし考える機会ももらえた。ただの音楽映画で片付けちゃいけないのだろうなとも思いました。
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