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コーダ あいのうたのはすのネタバレレビュー・内容・結末

コーダ あいのうた(2021年製作の映画)
4.9

このレビューはネタバレを含みます

父、母、兄、妹(主人公)の、唯一自分だけ耳が聞こえる田舎暮らしの4人家族。

主人公は歌う事が好きで合唱クラブに入って、
先生にも才能を認められて都会の音楽大学に行きたいけど、
家業の漁には通訳者である自分が居ないと仕事おそろか生活すらやっていけないという現実、、、
この板挟み、辛すぎません?

耳が聴こえなくてそもそも音楽とはほぼ無縁、
そして仕事上娘が居なくなったらめちゃくちゃ困るから後押しできない両親の気持ちも、わかる。

でも娘の合唱コンサートに行って、
周りの観客のリアクションを見て、
娘には才能があるって実感した家族。

ちなみにここで初めて難聴者サイドの無音のシーンが入ります。
主人公がずっと練習してきた大舞台での歌唱シーンを、あえて無音のシーンにするのが個人的に好きでした。
聴きたいのに聴けないって、こういう気持ちなんだろうな、と。

帰宅後、家の前で主人公と父が車の荷台に並んで座っている時に、父が
「ここで見る星は漁船で見る星よりも小さいな。」
って言った言葉の中に、
「お前にはもっと輝ける場所がある。」
って意味があるんだろうなと感じました。

そして父に「俺のために歌ってくれないか?」とお願いされて、目の前で主人公が歌っている時に、

まず口の動きを見て、
次に首の振動を手で感じて、
そのまま目を閉じて、
娘の歌を聴覚以外で一生懸命感じている父。
このシーン泣きました。

その翌日、何の予告もなしに家族全員で大学のオーディションに車で送ってくれて、
主人公が歌唱受験中に、家族に向かって手話ありで歌うシーンでまた泣きました。

まさにこれがサブタイトルにある「あいのうた」、と感じました。

無事合格していよいよ家族とのお別れ、
家の前で見送る家族。
一度は車を発車させたけど堪らなくなり車から降りて家族の元へ駆け寄りもう一度最後のハグをした時の父の、
「行け」
でさらに泣きました。
それまで一度も家族が言葉を発するシーンが無かったので、かなりぐっときました。

そうして車で故郷から離れるシーンで映画は終了。
久々にとても良い映画を観たという気持ちになりました。

一応恋人ができたり、友達と過ごすシーンなどはあったけど、特に内容は濃くない。とにかく家族愛!のテーマが強い映画。

癒されたい&心あったまる系を観たい日におすすめの映画です。
はす

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