コーダ あいのうたのさきちのネタバレレビュー・内容・結末

その立場にいる自分にしかわからないことがある。側から見たら理不尽だったり、薄情者に見えたり、自己中だったとしても、当事者になってみるとそれがいかに辛いことか、苦しいことか、相手を思っているからこそできる行動か、他の人にはわからない。主人公のルビーも自分のしたいことと家族を大事に思う気持ちを天秤にかけた時に家族を選んだこと、相当勇気のいることだったと思う。兄は、自分の妹がしたいことをさせてあげれない不甲斐なさ、近くで見てきたからこそ我慢する性格を知っているし幸せになってほしいと思っていただろう、両親も自分のわからない世界で羽を伸ばす娘を手放すのがどれだけ怖いことか計り知れない、だけど最後に言葉を発した初めての言葉が“行け”だったのは本当に暖かい家族なんだなと思った。オーディションの時に歌った曲を審査員ではなく、両親へ届けたいという思いがとても素敵だった。終始涙が溢れてしまいそうな映画だった。