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コーダ あいのうたのvenom9のレビュー・感想・評価

コーダ あいのうた(2021年製作の映画)
3.5
本作、オリジナルのフランス映画が好きなため手が出ずにいたのですが、韓国版ドラマ「愛していると言ってくれ」の感動覚めやらぬうちに聾者関連作品をとと視聴。やはり私は、オリジナルの「le famille Belier」(なぜか邦題「エール!」)の方が好きです。
作品の味わいとして、オリジナルが地場食材を用いた隠れ家的ビストロ、後者は良質なレストランチェーンですかね。ともに聾者とCodaの暮らしに光を当てるものではあるが、微妙な違いは作品タイトルが物語る。
主人公家族が明るく前向きなのは両作同じですが、今作は地域社会との断絶や経済的困窮が描かれ、より弱者の印象づけがなされていました。
エミリアジョーンズは綺麗な声の持ち主ですね。ロンドンっ子なのにちゃんとアメリカ片田舎のティーンに見えました。
舞台が海辺の町なのに溜池のような場所で泳いでいましたが、海の綺麗な田舎で生まれ育った私には不思議です。物語の舞台となったグロスターにはちゃんとビーチもありますが、池への飛び込みが通過儀礼のメタファーであったり、撮影の安全対策の都合でしょうかね。
ところでジョニ・ミッチェルの「Both sides Now」、本作ラストのオーディションでエミリア・ジョーンズが歌うこの曲、たくさんの映画で使われていますね。こんなに映画人を魅了したポップ曲、稀有です。
(2024年1月 U-NEXTにて鑑賞)
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