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コーダ あいのうたのKHのレビュー・感想・評価

コーダ あいのうた(2021年製作の映画)
5.0
中洲大洋劇場の閉館前記念のリバイバル上映で鑑賞。
確か高校生の時「コーダ」を初めて映画館で見たのも中洲大洋劇場だった。
やっぱりコーダは傑作だと思う。(サブタイトルを除いて)
ろう者の家族で唯一耳の聞こえる主人公・ルビー(coda)の物語。
家族の中で1人だけが耳が聴こえるからこその分かり合えない疎外感や寂しさや苦悩。
手話という言語をエネルギッシュに描いて映画に新しい可能性を与えた作品。聴覚障害だからといって、悲劇を描くのでなく、みんなプライド高いし、なかなか分かり合えない。それをコメディチックに描いた監督は天才。
父からの視点、母からの視点、兄からの視点、そして主人公からの視点を織り交ぜている。
コンサートの演出も、ルビーと父の2人のシーンも、ルビーと母の会話も、ルビーへ優しさを見せながらももどかしさ(嫉妬)をみせる兄も、恋を物語の中心に入れてこないのも凄い。
そしてルビー自身も家族から離れることを恐れていた。
家族に辟易としながらも、私は家族を守るといったシーンも良い。
取り敢えず、いっぱい語り口がありすぎるから整理!
2年前初めて観た時から、音楽ずっと聴いてたから今回改めて観るとずっと感動。

多分中洲大洋劇場で観る映画はこれで最後だと思うと寂しい。学生の頃、1人で観たい映画を、地元の映画館に行くと絶対に知り合いと会うのが嫌で、西鉄で30分かけて福岡市内まで行って観てたの懐かしい。誰も知ってる人いないし、自分だけが知っている場所のような気がして安心した。「朝が来る」を観たのも、監督と会えたのもこの映画館。
いつも行く大型シネコンと違って独特の匂いがしてワクワクしてたし、チャップリンが毎回出迎えてくれた。
最後にコーダを観れてよかった!
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