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コーダ あいのうたのserinaのネタバレレビュー・内容・結末

コーダ あいのうた(2021年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

いい映画だよって加菜に勧めたくせに、自分は2年も放置してたらしい。感想は「🙌(手話)」。負の感情を省略せず描きつつ悪役は登場しないのが良い。両親が妹ばかりに頼ってるのに対して空回りするお兄ちゃんに共感。妹への愛情と嫉妬心が混ざってる感じが人間的で特に好きだった。両親は外の人と交流するのを諦めてるけど、お兄ちゃんは同世代の仕事仲間と一緒にバーに行って交流しようと努力してた。それに周りがルビーの歌が上手いと言ったとき、両親は傷つくのを恐れて半信半疑だったのに、お兄ちゃんは、すぐに信じて誇らしげになってるのは、人間として強いし魅力的。

この映画を見ても、聴覚が不自由な人たちの活躍の場が広がるかは疑問。ただ、現場で作品を作る人たちの選択肢が増えたらいいなと願うけど。その状況にある人だからこそできる演技がある。今回で言えば両親とお兄ちゃんのかすかに喉から漏れる音(声)が印象的だった。同時に『ドライブマイカー』ですでに起きてしまってるけど、当事者じゃない俳優がマイノリティの役を演じることにキャンセルするような動きには反対。そもそも俳優は他人を演じるのは仕事なわけで、すべての人が表現の可能性をこれからも追求し続けてほしい。『コーダ』は大成功して本当によかった。もっと早く観ればよかった。
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