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秘密のまほう管理局のLCのレビュー・感想・評価

秘密のまほう管理局(2021年製作の映画)
3.6
面白かった。

一流エージェントであるグレーテル、一流ペテン師であるヘンゼル、更にはお菓子の犬が協力して、ひとつの陰謀を阻止するお話。

グレーテルは確かに凄腕なのだけれど、自認的には「自分の努力のみでなし得た」ことになっているようで、エリートになれた者が陥りがちな典型例を眺めた気分になる。
勿論彼女は血の滲むような努力をした筈なのだが、その努力のみが今の彼女を実現したわけでもない。作中ではお金のお話をしているが、お金のみならず、努力し続けられる環境が整えられていた筈でもある。雑音が酷いと勉強に集中するのは難しいだろうし、心を蝕んでやれば物事を継続する力も奪える。孤児の置かれる環境では、夢を語った時にネガティブな言葉や態度を与えられる機会は普通にあっただろうと思うし、理不尽も身近だったろう。
彼女が集中して勉強に専念し、心が蝕まれないように気を遣って接していた兄が側にいたからこそなのだが、彼女にはそのようなサポートの存在は見えていない。自分ひとりで成功したと思っている。
そして、この関係性は作中で任務に挑む様子からも窺える。

カップケーキさんたちはミニオンたちに似た香りがする。いつでも楽しそうでとても良い。癒される。でも私はバニラは要らないかな… それよりは枝豆が無限に出てくる器とかが欲しい。少しだけ塩っ気があったら完璧。ポップコーンでもいいけど。そういう魔法道具はないのか、そうか。
犬さんのお口周りに付いているチョコレートは、幼い頃大好きだった。あのチョコレートが付いているお菓子が輝いて見えた。銀色の丸いチョコレートもなかったっけ、そっちも好きだった。そうか、今じゃ枝豆とか言ってるけど、幼い頃はしっかり甘いお菓子が好きだったんだな、私も。

爆発の混乱の中、人魚とカニの姿になる2人が好き。外の世界の素晴らしさを見たい人魚(兄)と、海の底は最高なんだから外に行かなくてもいいのさと歌うカニ(妹)、ってコト…!?ちょっと面白い。
他にも色々な「見たことあるぞ」があって楽しい。空飛ぶ絨毯(飛ばない)とか、箒を折られてしょぼんとするおばあさんとか、クスッとさせられるものが多い。

2人で力を合わせて、どんな任務に赴くのかな。グリム兄弟は頼りになるから、はちゃめちゃしても大丈夫。きっと素敵な物語にして記録してくれる。狂気が滲むのは仕方なさそう、今回の任務見てても妙に頷ける。
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