くま一家

劇場版 呪術廻戦 0のくま一家のレビュー・感想・評価

劇場版 呪術廻戦 0(2021年製作の映画)
3.9
公開2日目に息子二人と劇場最大スクリーンで鑑賞。昼の回で予約段階から客足は渋そうだったが、最終的には6割くらい埋まり。
アクションシーンは垂涎の水準!キャラクター同士が対峙した緊張感からの交合した後のパワーの放出が素晴らしい。百鬼夜行ならではの、出てくる呪い達のキモさとまともに歯が立たなそうさ加減が、呪術師達の活躍を引き立たせていました。
息子達は大変楽しんだ様子で何より。良き年末のリフレッシュとなりました。



















以下、ネタバレ所感として。








・本作品の主たる話としては、憂太と里香の「愛ほど歪んだ呪いはないよ」(by悟)というストーリー。里香(呪いの姿)の強さと献身が、憂太への愛のまっすぐさとして伝わりました。ただ…憂太がなんで里香を愛しているのかがイマイチ伝わらなかった(原作よりなれ初めのシーンを足して強化しているので、なおさら原作ではより希薄とも言える)。自分のために都合良く里香を利用しているようにも見えて、ほんとに「女誑し」なのかと(真希との会話もそんな気が出てる)。里香が呪いとなった理由に気づいて(自分の戦う意味と里香への愛を確信して)覚醒→「純愛だよ」→黒閃!だったら、より熱かったよなぁ…とか夢想しました。
 主人公がある有名キャラクターを想起させるのは、もうしょうがないよ(笑)。あちらは国民的と言える知名度があるし。敢えての「シンクロ率400%」なのだと思うことにする。

・『呪術廻戦』の主人公虎杖も、伏黒も釘崎も宿儺も本編主要キャラクターが出てこない。コミックス0巻で知ってたけど。
 呪術学校の1年生達(本編の2年生)や五条がどんなキャラでどんな存在なのかを深く「掘り下げる」(もともと知ってるキャラを再発見する)からこそスピンオフが成り立つので、本編主要キャラとの関係性を全く排除した場合にはこのストーリーのみでは魅力が十分ではなかった印象。本来は「あの乙骨先輩の」「あの狗巻先輩の」「あの真希さんの」「あのパンダ先輩の」(笑)一年生時代の話であるからこそ、今回の話が成長の前日譚足りえる、と思うので、一つの「『呪術廻戦』の映画」としては本編主要キャラやストーリー(一年後の時間軸)とわずかでも繋げて欲しかったと思ったのです…。
(この辺りは0巻あとがき(?)に、原作が書かれた経緯と時系列が明らかではあるので、原作を重視するほど致し方ないことではあるが、)原作準拠とするならエンドロール後のシーンは無くてもいいし、あのシーンを入れるなら、やっぱり本編との絡みがあってはじめて、アニメ『呪術廻戦』の一連の中に置くべきスピンオフ作品たり得たのではないかと思っちまいました。だって渋谷事変は絶対劇場版で観たいじゃんね!

・エンドロール(文字のみ)で、ED曲と主題歌が続けて2曲。純粋に曲だけの魅力で聴くには、雰囲気はわかるが、歌詞と本編内容とのマッチングが完璧とは少し離れた印象。
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