きまぐれ熊

劇場版 呪術廻戦 0のきまぐれ熊のレビュー・感想・評価

劇場版 呪術廻戦 0(2021年製作の映画)
4.2
呪術廻戦の事前知識ほぼ0だったけど(0だけに)かなり楽しめた。

白眉のシーンは乙骨の渾身パンチと純愛砲(マジでそんな名前なの?)で、この2シーンはアニメーションではなく漫画の見開きが見えるような漫画を読んでいる様な間の取り方で感動した。特にインパクトの瞬間にキャラも背景も映らない稲妻の様な呪いのエフェクトが瞬のが最高にイケてて原作漫画のリスペクトが強く感じられた。BGMも激情を彩るロックで凄い良かった。
ここだけでも紛れもなくジャンプ漫画だなぁと感じられて満足。

アマプラ版は字幕の出来が良くて漫画のルビと思われる当て字も再現されているし、キャラ名が表示されるので真希ちゃんの姉妹の存在も把握できたので説明されてないキャラでもなんとなく相関が想像できた。けど逆に字幕ないとノー知識ではちょっと厳しかったかもしれない。

ただ乙骨憂太とリカのストーリーに絞った短編としては綺麗にまとまっているので、乙骨のオリジンとしてはいきなり観ても大丈夫な内容。
サイドラインの五条悟と夏油のシナリオ何も語られてないしな。ここは本編でどうぞ、と言った感じか。
所で五条悟めっちゃ悪い奴だな〜。やってる事は置いといて夏油より悪い男じゃない?人気出るの分かる気がするわ。

テーマソングも本編にしっかり寄り添う内容で2曲あるのに聴き入ってしまった。王様ランキングも良かったしKing Gnuのアニソン本当にハズレないな。

以下はネタバレあり感想。

リカの正体に関わる顛末が、リカが憂太を呪っているのではなく、憂太が里香を呪っていたというのはどんでん返しの様で、何となく匂わされている作りに見える。
というのは、形式としては乙骨憂太とリカのストーリーのはずなのに里香側のバックボーンが一切明かされず、一切テーマに関わってこなかったからだ。2人のストーリーならどうして入院していたのか、どう仲良くなったのかに焦点が当たってもいいはずなのに生前の2人の会話が最低限にしか語られてなかったのがヒントなんだろう。
それよりも最初の実習で憂太が真希に語った事の方がこの映画としての本質で、そこで語った自信の無さから最愛の人を呪って手元に置いていた、という結末には納得感があるし、本物里香ちゃんはそれに付き合ってあげていたという構造だと整理すると確かに純愛かも、と思えて非常に綺麗なストーリーだ。

しかしこれ漫画読みたくなるな。前作主人公でめっちゃ最強ってこれ絶対良いとこで駆けつけるパターンじゃん。本編での乙骨憂太の活躍するシーン読みたいな...。
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