リーアム兄さん

密航者のリーアム兄さんのレビュー・感想・評価

密航者(2021年製作の映画)
3.2
【好きなセリフ】
デビット「メロディーは自由なようで規則性がある。時々奏者の1人か2人が主旋律から外れるんだ。不快な音に聞こえる時もあるが心に刺さるんだ。常に調和も取れてる。」

バーネット船長(トニー・コレット)、医師のゾーイ(アナ・ケンドリック)、研究者のデビット(ダニエル・デイ・キム)の3人は火星へ向かうプロジェクトのメンバー。打ち上げも無事に完了し、宇宙船の中で火星までそれぞれの研究に従事していた。しかし、宇宙船の天井裏にプロジェクトに参加していないマイケル(シャミア・アンダーソン)が何かのトラブルに巻き込まれたのか気絶した状態で見つかる。もともと2人用のものを3人用に改良した宇宙船の中で予期せぬ4人目が見つかり、酸素が足りなくなる中、解決策を見つけるべく奮闘する。

大好きな女優のアナ・ケンドリックが主役ということで、当然のように鑑賞。
Netflixオリジナルお決まりの登場人物を少なくして予算を抑えつつ、映像美とストーリー(少し弱い…)で勝負する映画。

オープニングからエンディングまで4人しか登場しないが、その分一人一人の心情を表す場面が多く、より感情移入しやすい内容になっていた。

特に登場人物のキャラが濃いわけではないが、その分共感することができるため、宇宙船という閉鎖空間の中で人数分の酸素が確保できないという緊張感を感じることができた。

よくある1人を救って大勢を見捨てるか、大勢を救って1人を見捨てるかという、いわゆる「冷たい方程式」がテーマになっており、「何が正しい選択か」を考えさせられる内容になっている。
ゾーイがエンディングで「人生の意義」という言葉が入ったセリフを言うが、何が正しいことなのかわからない人生だからこそ、自分が最善だと思う選択肢を探し続けないといけないのかな、と感じた。

メッセージ性は深いものの、なぜマイケルが宇宙船にいたのか、クルーは無事火星にたどり着いたのか、などしっくりこないまま映画が終わってしまったという印象。

良くも悪くも「Netflixらしい」映画でした。