Yasu

隔たる世界の2人のYasuのネタバレレビュー・内容・結末

隔たる世界の2人(2020年製作の映画)
-

このレビューはネタバレを含みます

この作品はスコアで評価しないことにする

30分の映画で強いメッセージを表現した良い作品。誰もが見るべし知るべき現代社会。

黒人が白人警官になんならの言いがかりをつけられ殺される。
殺されたと思ったら少し時間が遡る。
そしてまた別の理由で殺される

この映画は1人の黒男が何度も白人警官に殺されるものだが、実際の社会では何人もの黒人が命を奪われている
それはエンドロールで出てくる被害者の名前とメッセージからもわかる

名前は一部に過ぎない
Afew name of the many.


また家にいる黒い犬は子供を表現しているのではないかと思う。
主人公が帰らなければ、ご飯を食べることもできない。



セリフの中から特徴的なものをいくつか
『典型的なアメリカ人だ』
自分の家族構成を話しているときのセリフだが、これは黒人を警察が殺しても罪に問われない社会やそれを受け入れてる人たちのことを指していると思う。

『警察は黒人に厳しいのも事実だろう 白人なら冗談で終わる事件も黒人がやれば終身刑だ』
『白人は生まれながらにして「白人」という恩恵を受けている』
黒人からみた社会はこうなっている。

『こんなに黒人と話したのは初めてだ』
武力ではなく話し合いをすれば分かり合えるかもしれないが、話し合いすら対等にできいない社会がうかがえる。

『興味深いが全てに納得とは言えないね(it’s interesting.But I guess we’re ganna have to agree to disagree on this one,my friend. )』
ここで字幕では消されたが白人警官が黒人にフレンドと呼びかける。お互い立場が違うから全てを理解することはできないが少し近づく気配が感じられる。


『送ってくれてありがとう(thanks for the ride,officer Merk. )』
『元気でな(take care of yourself,kid.)』
【この後に裏切られて殺される】
ここでは最初タメ口だった黒人が警官との話し合うことで最後は名前で呼び感謝を伝える
しかし警官は名前では呼ばない。さらにこの会話の後警官は黒人を殺す。
名前なんてどうでもいい、もともと理解し合おうなんて思っていない。変わらない社会を表している


今私は黒人がなぜ虐げられる社会が出来てしまったのかを大学院で学んでいる。
もしこの映画をもっと深く理解したいので有れば次の本を紹介したい。

タナハシ コーツ著 世界と僕のあいだに

日本語訳もされているが、言い方の違いがあるためできれば原文を読んでもらいたい。
Between the world and me
Yasu

Yasu