カナノシ

隔たる世界の2人のカナノシのレビュー・感想・評価

隔たる世界の2人(2020年製作の映画)
4.0
出会ったばかりのペリーと一夜を共にしたカーターは愛犬に餌をあげるため彼女の家から帰路に着く。するとたまたま遭遇した警察官により難癖をつけられ運悪く殺されてしまう。次の瞬間、カーターはペリーのベッドで目を覚ます。
妙に生々しい悪夢だとカーターは笑い、帰路に着く。すると再びあの警察官にエンカウント、そして…
目を覚ますと隣にはペリーが。信じられないことにカーターは奇妙で恐ろしいループに閉じ込められてしまう。
あの手この手で死を回避しようとするが、形を変えて襲いくる絶対的な死。
果たしてカーターはこの絶望から逃げ切ることは出来るのか!?な話

30分と言うショートムービーながら、エンタメと社会問題と風刺と諦観そして決意をギュッと詰め込んだ秀作。
黒人差別問題に対し「そんな簡単に解決するような問題じゃないし、でも訴え続けていく必要がある」という強い啓蒙の意思を感じた。

社会問題故に重い内容ではあるが、ループものというほんの少しのSFエッセンスを加えることでエンタメ化している。
社会問題とか史実をテーマにした映画は正直食指が伸びないのだが、こんな自分でもしっかり最後まで観て考えることが出来たので素晴らしい手腕だと思った。こういう問題は如何に大衆の目に入るかも大丈夫だもんね。

内容が内容だけにサクッとは観れないけれど、出来れば色んな人に観てもらいたい一本。大人な感じと手軽さがマッチしていてココアシガレット的な作品に仕上がっております!
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