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隔たる世界の2人のtomoのレビュー・感想・評価

隔たる世界の2人(2020年製作の映画)
3.3
アメリカにおける黒人差別の何たるかを直球でわかりやすく描く良作だが、惜しいのは、メッセージを伝えることに集中してしまい映画としてのストーリー性が中途半端なまま終わってしまうこと。不条理ものであっても何らかの結末(スッキリするものでなくても良い)はつけてほしい。そういう意味では、100回目を終えてワンちゃんが健気に待っているあの喪失感・徒労感溢れるシーンで終えた方が完成度は高かったのではないか。ラストシーンで諦めない姿勢を示すことで制作者の未来への希望は感じられたが、映画の締めとしては弱くなってしまったように思う。
メッセージ性の強い映画は好きだが、フィクションという媒体を選ぶ以上は映画としての完成度を犠牲にせずに伝えてほしいと思ってしまうのは贅沢か。
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