コットンテールの真魚八重子のネタバレレビュー・内容・結末

兼三郎（リリー・フランキー）は、妻の明子（木村多江）を若年性認知症で亡くす。一人息子のトシとは折り合いが悪く、親思いのトシ夫婦に何かと逆らってしまう。明子の遺言はイギリスのピーター・ラビットにゆかりのある湖に遺灰を撒いてほしいというものだったが、兼三郎は一人で行くつもりだったがトシ夫婦も同行する。だがトシたちがせっかく取ってくれたチケットを無視して、一人で湖に向かおうとした兼三郎は迷子になってしまう。

うちの父も頑固だったなーと思い出した。言い出したら聞かなくて、最終的に周りに迷惑をかけることになるので、良い思い出がない。この映画も無理に「それは妻への愛が深かったから」といった雰囲気に持っていこうとしているけれど、関係ない人にまで迷惑をかけて、家族にも経済的負担や心労をかける。海外で息子夫婦に迷惑をかけることを、亡くなった妻は望んだだろうか。嫌味を聞こえよがしに言って、息子に精神的な苦痛を与えるような父親は、どうして出来上がったんだろう。妻はその間、夫のことをどのように眺めていたのか。