心と心の壁。妻を亡くした男が主人公。
妻の希望を叶えるべくイギリスのウィンダミア湖を目指す。
誰よりも愛する妻だからこそ、彼は息子にすら対抗意識があったのかもしれない。
ただ旅先で父娘と出会い新たな価値観が芽生えた。ラストシーンが素晴らしい。
やはりロードムービーの醍醐味は旅先、道中での出会い。
ここで出会う父娘の関係が実に良かったですね。父親視点で観ればその彼も喪失を経験しています。
ただ娘という存在が彼を救ってくれたのが事実としてあります。
リリー・フランキー演じる兼三郎は心の壁を取っ払ったことで前に進み、この先を生きる希望が湧いたのでしょうね。
あと、やはり木村多江さんは良い。
ここ最近は『マイホームヒーロー』や『忍びの家』で大味な演技が目立っていたのですが、なんだかんだ繊細な演技が巧いことを再認識しました。
あの儚げな表情と、彼女の若かりし頃が恒松祐里さんなんですが、同一人物にしか見えないのが本当に凄いと思いました。
〈キャスト〉
兼三郎(リリー・フランキー)
慧/トシ(錦戸亮)
明子(木村多江)
さつき(高梨臨)
メアリー(イーファ・ハインズ)
ジョン(キアラン・ハインズ)
※2024年新作映画29本目
※2024年劇場鑑賞30本目
