櫻イミト

2ペンスの希望の櫻イミトのレビュー・感想・評価

2ペンスの希望(1951年製作の映画)
3.5
第5回カンヌ国際映画祭パルムドール受賞。ATG初年度(1962)のプログラムで日本初公開。

敗戦直後のナポリを舞台にした明るいネオ・リアリズモ作品。貧しい復員兵と花火屋の娘の恋の行方を描く。ナポリ周辺の現地ロケと地元民の俳優採用で、失業者だらけの街にあふれる復興へのエネルギーを活写している。登場人物がみんな大声でにぎやかに話し、イタリアならではの庶民生活を感じさせる。中でもヒロインのキャラクターが突き抜けていて印象的。一途な性格のあまり、恋人の職探しの足を引っ張り、走り回り、歌い・・・と、まるでアニメのキャラクターのよう。風情のあるロケーションも魅力な、エネルギーに満ちた人情喜劇。
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