田山信行

シン・仮面ライダーの田山信行のレビュー・感想・評価

シン・仮面ライダー(2023年製作の映画)
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いきなりヴァンダミングな状況から始まるのに驚いた。


やはり石ノ森章太郎の漫画版に回帰するというアプローチ。政治批判的な面が強くなった白石和彌監督のBlack Sunに比べてより愚直に、人を守るヒーローとしての在り方を描くのがシンの軸か。

超人的なアクションの描き方や変身のメカニズム、ショッカーの解釈など原作の設定を活かしつつ見事に現代的なアップデートが成されている。今現代における“悪”ってのはこうだろうな。決して彼らは悪であると思っておらず綺麗事で構成されているのが薄ら寒いほどリアル。

監督するかしないかでこうも違うものか。シン・ウルトラマンでは感じた物足りなさが全然なかった。

白石和彌監督もBLACKのリブートじゃなくて庵野監督とは違うアプローチという体で同じく初代の仮面ライダーをやれば分かりやすく比較できて良かったと思う。政治批判劇とBLACKの要素が悉く噛み合ってないから。企画が競合になってしまうことを危惧したのだろうが。
田山信行

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