ひろるーく

シン・仮面ライダーのひろるーくのレビュー・感想・評価

シン・仮面ライダー(2023年製作の映画)
4.2
「時代が望む時、仮面ライダーは必ずよみがえる」
原作者石ノ森章太郎さんの言葉がなんと力強く感じたことか。

シン・ゴジラ、シン・ウルトラマン、そしてシン・仮面ライダー。60年代からのヒーローイコンを「現実的によみがえらせる」庵野秀明のプロジェクトは、ついに最高の存在を生み出した。

シン・仮面ライダーでは、「プラーナ」をもって変身能力、超人的な能力を生み出す礎とする概念を誕生させた。
過去のヒーローイコンの理不尽性。
子どもの時、「なんで巨大化できるの?」「なんで変身できるの?」などと父親に尋ね、「そんなの怪獣とか悪い奴らを倒すために決まってんじゃん」で済ませていたその理不尽な記憶を、「シン」シリーズが立証性をもってその存在に意味を持たせる。

もちろん架空科学の世界の話であるから、実際の実験室でこの理屈を現実化することはできない。それでも、立証性を「言葉」で作り出すことで、ぐっと楽しめるのだ。

昭和仮面ライダーのテレビシリーズの本郷猛、一文字隼人という1号ライダー、2号ライダー、緑川博士、緑川ルリ子はもとより、蜘蛛男、コウモリ男、サソリ男、蜂女、カマキリ男とカメレオン男(映画では合体)などを現代にさらなるエンターテインメント性を高めて登場させた。

僕は昭和仮面ライダーを詳しく知る者ではないが、知識として知っているものすべてが気持ちよく登場し展開することに興奮した。次から次へと敵が現れる。そう、ショッカーから送り出される怪人は次から次へと現れないとダメなのである(本作では一応、一区切りがあるわけだけども)。

物語の展開は詳しくかけないが、とにかく仮面ライダーの戦闘シーンがかっこいい。ライダーキックとライダーパンチ、そして頭突き。もうそれだけだ。飛び道具は一切なし。肉体一本の戦いである。

緑川ルリ子(浜辺美波)は当初綾波レイのような無感情な登場をする。そして、本郷猛(池松壮亮)に心を開きながら、最終的には惣流・アスカ・ラングレーのような屈託ない笑顔を見せる。しかし父と兄、その複雑な運命は哀しい。

賛否あるのはいつものこと。僕はシン・ウルトラマンが今ひとつだったので(もともと仮面ライダーが好きなのかも)、めちゃくちゃ楽しめました。
最後のクレジットであーあの人が、、、どこで? も楽しいですよね。

でも昭和ライダーの知識を多少入れてから観た方が楽しめるのかもしれません。僕もパンフレットを買って読んでから、あーなるほど、と何度も思いました。とかいってると、もう一回観に行っちゃったりするんだけどね。

そうそう、最後のオチもね。。。

僕はシン・仮面ライダーを評価します。
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